名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

まずは殿が倹約しないと

元禄11年5月29日。
廻状が来る。
御勝手(財政)が不如意(家計などが苦しい)につき、先年家中の輩に上米を増やすことなどを言いつけになり、それで財政を維持してきたが、昨年物入りのことが多く、御勝手に苦しくなったので、前々差し出した7升の口米に2升を加え9升ずつ差し出し、御切米を取る輩(知行地がない者)も今まで差し出した上米に2升を加えるように。
今年から5年間はこうすることとする。
困窮する輩もあるだろうからと上米を増やすことは言い渡さず、色々と大目に見てきたが、財政が厳しい折は本意ではないけれど、年寄りなどに任せ、この通り言い渡される。
この上は何度も言い渡されている通りますます倹約に努めるようにと考えてる。
御勝手不如意につき、家中の輩の普請役は今年から5年間3分増しで勤める予定である。
この度の言いつけの書付は御側同心頭衆御国御用人衆より渡された写2通を送ってきている。
各承知し、組中へ申し聞かせるように。
以上。
5月28日。
冨永彦兵衛。