天保4年。
一 2月19日から晦日(30日)まで、植田福泉寺において常州完戸外森山唯信寺祖師御真影を開帳する。
廿四輩(親鸞聖人の24人の高弟)の廿二番。
一 2月17日から4月6日まで、知多郡岡田慈雲寺で本尊観音を開帳する。
一 2月18日から4月8日まで、阿弥陀寺扣春日井郡西堀江観音山において十一面観音を開帳する。
これは当国二番札所堀江山長谷院である。
誓ひとて堀江山路の枯木にも花か咲けり枝のかけにて。
大和国長谷寺本尊と同木同作である。
一 2月28日から3月18日まで、古渡村洞仙寺において恵心一刀三礼(仏像を彫る際に一彫するたびに三度礼拝すること)仏本尊千手観音を開帳する。
一 2月29日から大須で伝法潅頂(でんぽうかんじょう、阿闍梨の位を授け、仏の法を継承させる儀式)を執り行う。
一 3月1日から21日まで、春日井郡守山宝勝寺にて永国寺什宝信州善光寺一光三尊仏ならびに常灯明宝物などを開帳する。
一 去る1月20日、松平周防守殿領分の百姓住蔵弟で22才の六蔵の21歳の妻が三つ子を出産する。
3人とも男の子で母子とも無事であると。
一 松平伊豆守天文者宮内考、土星に向かってこのような星が現れる。
(図略)
この図を見る前に星を見ると命が危ない。
そのため皆に見せると。
3月頃、未の方角(西南西)に八半(午前3時)頃現れると言い、また8月まで毎日現れるとも言う。
弘安年中にも現れると。
見て関わると即死だと。
一 4月9日九時((午後0時)過ぎ、大地震がある。
それから夜までに13度の大小地震がある。
翌10日朝から昼まで3度、同夜九時(午前0時)に1度、明け方にはかなり揺れる。
一 4月6日、本願寺御門主が太田に泊る。
11日まで逗留する。
12日御門主だけが立ち寄り、16日に出発する。
4月9日から枇杷島で河浚えが3日の間行われるはずが、10日に小田井村の者と石塚出身の者が喧嘩して中止となる。
一 大須山門外に次の通りの札が出る。
左右2枚。
倫(論)旨拝写。
来午年は弘法大師の千年忌で東寺准御斎会(じゅんごさいえ)において法会が修行されるのであらかじめ門徒中に触れ、都会も田舎も諸寺は心を合わせ協力し、粗略のある輩は破門とするお考えである、このことを申し入れられた長者は前大僧正御坊で前述の通り伝える。
天保三年十月十九日 左中将重基。
謹上大納言僧都御坊。
来午年弘法大師千年忌であり、東寺准御斎会において法会を修行されるので報恩謝徳を仰せ付けられたので都会や田舎の門徒は力を合わせ神妙とするようとのお考えでこの状の通りである。
天保三年十月十九日 左中将判。
東寺諸門徒中。
御室御所御令旨拝写。
来午年は高祖大師の千年忌にあたるので先例の通り論旨を下され、東寺で行われるので一宗の門徒中はありがたく思い、ことさら粗略な行いはせず、報恩謝徳の志があれば総法務宮も喜ばれる。
恐々謹言。
十一月十一日 菩提院権僧正 真乗院僧正。
真言諸寺院中。
嵯峨宮御令旨拝写。
大覚寺御門跡はお喜びである。
同文言にて、よって件の如し。
十一月十一日 聖無動院大僧徒 覚勝院権僧正。
真言諸寺院中。
(3-p106~p108)