名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

みっともない兄弟喧嘩

元禄15年閏8月9日。
近頃、増田治兵衛、同弟利左衛門は親類のところで酒を頂いた。
利左衛門はひどく酒に酔ったので兄が叱りつけると、弟は怒って喧嘩が始まりそうになった。
人々がこれを宥め、治兵衛は帰ってしまった。
その夜、弟は治兵衛のところへ行き、門を激しく叩いた。
治兵衛は留守と伝えても聞かず、用があるならば明日来るように言ってもまだ聞かずに門を激しく叩き続けた。
怒鳴り声が激しく、言葉にできないほど騒がしかった。
治兵衛は門を隔てて話はしたが、戸は開けなかった。
弟は腹にすえかね、刀を抜いて門柱を切りつけ去って行った。
近頃、納屋、日置などで博奕打ち12,3人が捕まる。