正徳3年8月4日。
夜、沢右衛門の兄服部善兵衛の二男忠蔵が弾右の家へ出かけた。
弾右は一家と云々。
帰りに大津町下伊勢町へ出るところで聞いたこともない声の者に知っているかと切りつけられたが当らなかった。
忠蔵は名乗り、人違いではないかと云々。
人違いとはとますます近寄るので、抜き合うとこの者は逃げて行った。
呉服町飛騨守家来の前で忠蔵がつまずいて転ぶうちに行方がわからなくなったと云々。
忠蔵は傷を負わなかったが旦那寺大光院へ行き、書置をして立ち退いた。
忠蔵兄は悩みがあったと言う。
あるいは、忠蔵は盆前にも女を連れて近所の長屋に隠れていた。
またそのことで逃げ去った。
書置は嘘を隠すためかと。