名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

何があったか知らないけれど犬と鳥の餌にするとは

宝永7年5月28日。
熱田堤に死体が流れ寄った。
野袴を着ており、わけがあるようで、顔は爛れて膨れていた。
少し前、四日市から志州鳥羽へ海を渡った板倉(欠字)家老と縁のある者が、小便をするといって海へ落ちたのがこの死体であったが、難しい問題があったのでそのまま腹をすかした犬と鳥の餌となった。

近頃名古屋で、乱心した比丘尼が真っ裸で町中を走り回った。
この比丘尼は前津の者で日蓮宗だった。
同村の者が伊勢を詣でて大麻を贈ったが、自分の宗旨ではこれはいらないと罵った。
もったいないと言うのを、爾前(ママ)無得道の祓いを蹴って見せてやると足をあげると恍惚となり、火事だ火事だ、ああしたい、早くやってくれと叫び始めて狂いだし、三川路、当地で恥をさらした。
後に牢に入った。