名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

そんな水は飲みたくない

正徳4年5月24日。
この日24日、池田定右衛門がこの春召し連れて下った僕は時節不相応の衣服を着て見苦しかったので暇を出した。
この者は19で、江戸も初めてのものでとてもこまってしまい、江戸には宿もなく、頼りにするところ、親しい者もいなかった。
何とか赦してもらおうとしたが叶わず、泣きながら屋敷の外へ出た。
翌日にまたやって来てたたずみ、言うこともないので何とか赦してほしい嘆いたけれど赦してもらえなかったので自殺しようとしたが、それを何とか押しとどめて帰した。
このようなこともあったので御目付方へ知らせておいたと云々。
一両日すると市買(市谷)北の定右衛門長屋のあったあたりの長屋では井戸の水に油が浮き、茶の泡がたたなかった。
各不審に思っていると27日に死体を見つけ、引き上げるとこの者が身を投げて死んでいた。
これを知らずに2、3日この水を飲んだと云々。

御徒近藤太左衛門召仕が少し前に行方をくらます。
近頃、戸山御屋敷の空長屋へ忍び込み、何か盗むような様子であった。
召し捕らえ、市買病人小屋へ入れる。