名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

支店長が社長に会えば嬉しいもの、しかし出費も

元禄14年12月14日。
寅(午前3時)から明け方まで、大空で鳥の鳴き声がする。
調子が高く、細く、まるで小弓などを弾くようであった。
ちどりの類かと。
広井や山口あたりで聞こえる。
廻文がある。
切紙を以って申し入れる。
殿様には去る11日4時(午前10時)に登城するように前日秋元但馬守殿が城附に申し聞かされ、殿様は11日に登城された。
西湖の間に居られたところ、松平美濃守殿、老中松平右京太夫殿がそこに御出でになった。
幼少ではあるが、家督でもあるので宰相に任じられることを美濃守殿より言いつけになった。
すぐに御座の間で歓談との上意がある。
恐れ多いことで上々様は大喜びなさる。
城から急いで摂津守様(松平義行)を同道し、美濃守殿、老中右京太夫殿、若年寄衆へと廻り、帰られる。
その後はことさら機嫌よくなられる。
このことを家中の輩に知らせるようにとの江戸より申してきたので支配の衆へ申し聞かせるように。
以上。
12月14日。
都筑弥兵衛。
河村九郎右衛門。
両城代殿。
小頭衆から添えられた廻状に18日に祝いに参上するように。
任官につき500両を京に遣わす。
昨年も500両と。
ただし、すべてが高騰しているので不足があると。
耳白銭(寛永通宝)200貫、黄金10枚、白銀50枚などを入れる。