名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

匂わせってこともあるしな

元禄14年3月16日。
明日供番粕谷郷右衛門が発つというこの日、かねてより召し抱えていた浪人を切ろうとして傷を負い、江戸への出立を延期し、病気と称して引き込む。
しばらくしてから江戸へと下る。
この浪人は郷右衛門の母と通じたと。
この時は継母の指図で浪人をそのまま親類のところへ遣わし置いた。
その後自殺すると。
郷右衛門の言葉の端々から浪人は継母との密通のことが明らかになるのを恐れおり、浪人の方から切りつけたのでは。
郷右衛門の方から切りつけはずはないと文左衛門は思った。