宝永6年8月27日。
出家・社家・山伏が能を見物する。
初めと終わりの2度、襖が開き公が出てこられる。
この日はとても多くの白洲での見物があり、急いで竹垣などを広げ、その上平地門の扉を外し、その外にまで人を入れた。
賄方から切こわめし(強飯)2つずつを1包にして320も作り、黒門足軽がこれを配った。
後ろにはあちこちから飛礫のように放り投げて与えた。
こわめし(強飯)はなくなることのない量であった。
猩々の始まる時に石町の古手屋平兵衛が気絶した。
目を開き、沫を噴き、癇癪であった。
黒門足軽がつり出し、針などを立てると息を吹き返した。
(能の演目省略)