名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

超常現象だ

宝永2年6月18日。
両村の麦値段についての免番衆からの廻文がある。
1両で1石1斗8升。
文左衛門の長良村はこれより1斗下値、野崎は7升下値。
昨日、源右衛門座敷の庭に大豆が7、80粒降る。
文左衛門はこの日自分で見る。
大豆よりは少し大きく、色は泥色で中は赤く、むかごのようであった。
芽が少し出たものもあり、まことに木の実である。
近頃、所々降ったところが多かったが、一々あげることも出来ず。
この豆を拾って持仏堂に隠し置いたところたちまちお祓い(厄払いの札)に変わったというようなことが所々であった。
巾下及び志水のあたりで確かに見たと話す者も多かった。
翌19日にも両替町加賀屋伝右衛門・同町糸屋九郎兵衛のところへ降った大豆を蔵に置いておくとたちまちお祓いに化けた。
20日に町奉行へも町代から報告する。
この天から降った豆は評定所の古楠の実と少しも変わらなかった。
その他壱岐殿の裏門のところ大田弥太郎などのところにも同じような木があった。