元禄5年7月11日。
夜、本立寺で加藤九十郎の葬儀が行われる。
文左衛門が出かけると、乾(北西)の空に黒雲が起こり稲妻が人を射る。
(中略)
帰ろうとすると重い雲が垂れ込め、雷光が空に光る。
たちまち豪雨となり新町から走って家にたどり着く。
雷が雲を裂き、天に轟く。
激しい雷が天地を照らす。
風が冷たく寒さを感じ、急な雨で月の光は届かず。
雷はしばらくの間続く。
降った雨が流れとなると大きな光が天地を照らす。
雷が坤(北西)から巽(南東)へと鳴り行く。
天地が揺れ、激しい雷は爆音のようであった。
屋根瓦が動き、棟梁が揺れ、山の頂を砕くような音がしてしばらく耳が聴こえなくなる。
戌刻(午後7時)、月が出て秋空が戻る。
この雷が武平町角千村平右衛門の長屋に落ちて側にいた辻番が気絶すると。