名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

不思議な出来事だ

元禄8年9月30日。
近頃、熱田に旅僧2人が泊り、1つの文箱を宿の長押(なげし、鴨居の上に張られた板)の上に置いて立ち去った。
翌日の夕暮れ、また1人の僧がやって来て、亭主に久しぶりだと言ったが、亭主は誰かわからず、忘れたのかと思い様子を窺っていた。
この僧が言うには、昨夜ふたりの僧が泊ったようだが、途中で出会ったのでやって来たと言った。
翌朝、僧は出発したがまた戻って、一昨日の僧の伝言を昨日言い忘れたと。
長押の上に手紙があるはずなのでこれを届けてくれと言って立ち去った。
亭主が見ると確かに文箱があった。
玉置市正・西尾三郎という表書があった。
とても怪しく思い、この僧をあちらこちら探すも見つからなかった。
このため三郎兵衛へのところへ届けた。
三郎兵もこれを開けず、老中へ差し出した。
老中もどうしていいかわからず、江戸へと遣わした。