名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

酔っぱらいは困ったもんだ

宝永3年4月10日(ママ)。
成瀬隼人正上屋敷で楽人を集め、舞楽が行われる。
巳上刻(午前9時)に始まり、未刻(午後1時)に終わる。
(後略)
紙漉市右衛門召仕とか手代とやらに半六という者がおり、紙漉が巧みであったので常々やって来ては手伝っていた。
この夜、市右衛門は酔っており、話しているうちに急に不届きと言って脇差で半六の肩先を切りつけ、傷は少し身まで及んでいた。
すぐに半六は駆け出し、薬師大宝坊借家革屋与右衛門のところへ逃げ入った。
すぐに市右衛門は追っ手を遣わし詮議しようとした。
しかし、与右衛門はごまかして半六を差し出ず、在所に知らせ、親が来て連れ帰った。
そして市右衛門は何事につけてもこんな風だと責め立てた。
市右衛門も正気になり、後悔して謝り、何とかなだめて金で済ませた。
近藤政之右衛門の詮議にかかったのは都筑弥兵衛、近藤小大夫。