名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

いつもように遊びほうける文左衛門さん

元禄15年6月22日。
申(午後3時)から甚右・小市・甚蔵と共に漁に出かける。
稲生村で賄斎藤甚平のところへ寄る。
はえ汁などを頂く。
大野村仁右衛門の造った白梅酒を頂く。
味醂のようであり、その美味しさは口では言い表すことはできないほど。
清らかな中にも旨味がある。
脆(もろ)きことは雪の如し。
仁右衛門という者は酒造りの名人であった。
泰心院様(綱誠)お好みの砂糖あわもりなどという酒を献じる。
用人妻木郷右衛門250石が主人のためと偽り家中の者どもと徒党を組んだのは不届きとのお考えである。
このため伊豆三宅島へ遠島となる。
江戸に在る郷右衛門嫡子は追放となる。
次男主膳は名古屋彦坂愚入のところにおり、この結末は後に記す。