名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

盗人から物を盗むとは確かに危うい

元禄10年3月10日。
辰刻(午前7時)、加藤三十郎僕の部屋に盗人が入る。
僕ら3人が追いかけ、平井角左衛門の門前で捕らえ、縛り上げて厠に置いた。
後に、三十郎が数度叩きつけ、鳶口が折れるほどであったが盗人は屈強で傷つかず。
未刻(午後1時)、盗人の着ていた衣、帯、傘や金を全て剥ぎ取り、縄を解いて追い払った。
翌日、盗人の家主がやって来て衣と帯を求めるが、三十郎は返さなかった。
そればかりか、この衣具を家に置き、このことを報告もしなかった。
後に盗人は石坂において捕らえられ、牢に入った。
そしてこのことを話した。
すぐに町奉行は人を三十郎のところへやり、置いてあった衣類を請け取らせた。
皆、三十郎は危ういと。