名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

真実は如何に

宝永2年閏4月26日。
亥(午後9時)前、巾下押切町福泉院という山伏が近所の畳屋召仕の女を袈裟懸けに切る。
女は翌朝死んでしまう。
近頃、巾下に妖物が出るとの噂があった。
妖物の噂があったので様子をうかがっていると女が白帷子を着てやって来た。
再三何者かと問いかけるも応じなかったので、むね打ちでたたき倒そうと思ったが、掌がかえってこの如くと福泉院は言った。
山伏は牢に入る。
別の話ではこの山伏はこの女と密通していたが、最近嫌になりどうすることもできずこうすると云々。
近頃の妖物咄も山伏わざと言い出したと。
戸田町から以前押切へ越してきた畳屋長左衛門の妹とも娘とも、あるいは召仕とも。