名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

不手際ですよ

元禄16年8月26日。
未明、惣河戸艮(北東)の芝の上で成瀬修理歩行谷口藤右衛門が麻の袴、帷子、半さらし紋付、刀を側に抜いて置き、召仕女を刺し殺し、自分も上で抱き合い、喉を突き貫いて死ぬ。
互いに数珠を手に掛けていた。
女は綿帽子、うみつむぎ(績紡)の合わせ、波丸の五所紋。
昨夜、2人とも暇をもらい、家を出たと。
女の夫は松寿院様の家来であった。
この死骸は五十人目付の検分はなかった。
この夜、両方の請人が東西へ受け取って持って帰ったが、途中で追いかけてまた死骸を始めのところへ返したと。
両方とも半長持に入れ置いた。
翌27日未(午後1時)頃、また受け取って帰る。
何かを間違えた。
男の請人は坂下町木引喜兵衛、女の請人は巾下であった。