名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

文左衛門さん、帰ってきました

宝永6年4月26日。
卯半(午前6時)、文左衛門は宿を出発する。
昨夜から駕籠を雇い、桑名まで乗って200文かかる。
先日桑名屋十蔵にこの日の船を頼んでおいたところ、熱田の船を留め置いてあった。
十蔵のところには客があったので十蔵の近縁のところへ出かけ、昼飯を頂く。
瀬左がまた酒を買い求め下々へ飲ませる。
巳半(午前10時)船に乗る。
船頭は6人。
熱田に着いて500文取らせたところ、さらにねだるので50文増しで取らせる。
帆を上げて船を走らせると滑るようであった。
未(午後1時)頃、熱田に到着し、茶屋で文左衛門と八郎右で酒1升を買い求め、2人で頂き、下々にも飲ませる。
文左衛門は道中、酒・食事ともすすみ気分がよかった。
道中では少しも雨が降らなかった。
道中で八郎右と2人で酒を買い求めて飲んだことは一々記さない。
たんぼ通りを歩き、申刻(午後3時)前に帰宅する。
申半(午後4時)、源右・権内がやって来たので酒や食事を出し、文左衛門も一緒に食べる。
文左衛門の留守中は大工の長右衛門を八平の長屋に泊め、昼夜長屋に置いていた。
もっとも昼の間は作事を行っていた。