元禄16年9月4日。
荒川十左衛門の屋敷、知行を差し上げるよう一家の輩に仰せ付けられる。
近頃、新番頭三浦義兵衛、同兄西郷十郎左衛門の伯父西郷甚左衛門は三州伊保に住んでいた。
その子を庄右衛門といった。
近頃、庄右衛門のところから飛脚があった。
親甚左衛門が死んだが、法事や埋葬などの金がないので援助してほしいと。
このため十郎左衛門も義兵衛も金子を遣わした。
忌中ということが伝わり、義兵衛は番を引けて、使いを遣わすと伯父に変わったことはなく、庄右衛門は近頃不届きのために勘当して行方もわからないと云々。
義兵衛がとても驚き、このことが頭にも伝わった。
いったん番を引けていたので江戸へ申し遣わし、何事もなく決着する。