2023-03-14 妹思いの兄の話でいいのですよね 鸚鵡籠中記 元禄10年2月。加藤伊右衛門の先妻は兼松甚七の娘であった。今の妻は稲留平太夫の妹であった。伊右衛門は乱心同然の不届き者であったので、妹と結託して、伊右衛門の留守を窺い、若党・中間などを遣わし妹を引き取った。肝煎鈴木半右衛門が色々と話をしたが返さなかった。前にも妹が来た時にはここに置いておく言ったのに、半右衛門がどうしてもと言うので返したところ、ますます常軌を逸してしまった。そのため覚悟の上ここに置いておくと云々。