名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

これはかなりの雷だ

文政2年6月26日。
夜5半時(午後9時)頃から大雷鳴、数ヶ所へ落ちる。
聞いているところは以下の通り。
雷が落ちたところ。
一 呉服町京町角、井筒屋伊助(油屋)のところに1つ落ちる。
店の者1人は片肌を脱ぎ、1人は丸裸、1人は足をまくっているところに落ちる。
裸の者は5,6日で死に、片肌の者は7、8日で死に、足をまくっていた者は助かる。
一 御園下御城代組伊藤源五兵衛宅へ1つ落ちる。
この家は戸障子を閉めていたので、稲妻が家の中を飛び回った。
鉄砲1挺が2つに折れたと。
一 横三蔵筋庵原甚左衛門屋敷へ1つ落ちる。
一 伏見町筋かはやき(蒲焼)町下る西側、利吉と申す者の裏に1つ落ちる。
一 日置生駒殿控屋敷へ1つ落ちる。
一 同南隣、野崎一学殿控屋敷へ1つ落ちる。
一 同所裏廻り田面6ヶ所に落ちる。
一 魚之棚呉服町東へ入る、藍や平助へ1つ落ちる。
1人が死ぬ。
一 橘町崇覚寺玄関へ1つ落ちる。(召仕の男が気絶し、後につんぼとなる。)
一 広井水車笹宗控蔵へ落ち、大豆、小豆、米などが少し焼けたと。
鎮まった後、火事だと騒ぎになる。
一 東寺町長栄寺門前に1つ落ちる。
その他のところへもたくさん落ち、およそ17ヶ所に落ちたと。
翌日も雷は鳴り続ける。