2022-12-06 すべてはお見通しよ 鸚鵡籠中記 元禄7年12月。織田太郎右衛門の妻は二の丸御局の娘であった。和田重蔵の妹であった。また、佐藤宗鑑の女房の妹を太郎右衛門は寵愛し、近頃男子が生まれた。公は太郎右衛門を呼び寄せ、直接仰せられたのは「お前の倅に母はあるのか。」太郎右衛門が答えるには「乳母を置いていると。」公は「その女を立ち去らせよ。もしさっさと行わなければ今後お前は参上しなくてよい。」太郎右衛門は大いに慌て、その日に女を宗鑑のところへ送った。