名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

すべてはお見通しよ

元禄7年12月。
織田太郎右衛門の妻は二の丸御局の娘であった。
和田重蔵の妹であった。
また、佐藤宗鑑の女房の妹を太郎右衛門は寵愛し、近頃男子が生まれた。
公は太郎右衛門を呼び寄せ、直接仰せられたのは「お前の倅に母はあるのか。」
太郎右衛門が答えるには「乳母を置いていると。」
公は「その女を立ち去らせよ。もしさっさと行わなければ今後お前は参上しなくてよい。」
太郎右衛門は大いに慌て、その日に女を宗鑑のところへ送った。