名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

狼が大暴れ

宝永6年4月4日。
近頃狼がたくさん現れるので、水野権平に命じて鉄砲で撃たせた。
この日、二ノ宮山から追い出し、楽田山で1頭を撃ち殺す。
久野半助という足軽が撃ち殺す。
ただし、玉2発で撃ち殺す。
狼が手向かってきたの撃ち殺したと申し上げる。
かねてから狼が人にかみつこうと向かってきたら撃ち殺せとのことであったので。

狼の寸法。

一 全長4尺4寸5分(1尺は約30センチ、1寸は約3センチ、1分は約3ミリ)、顔の長さは7寸、尾の長さは1尺5分で鼻から尾の先まで。
一 全高は2尺2寸で足先まで。
一 口の大きさは9寸5分。
一 4足ともに爪際に水かきがある。
一 胴回りは2尺5寸。
一 牙は上下ともに1寸ずつ。
一 眼が1寸ずつ。
一 耳の長さは2寸あまり、両耳の間は4寸。
一 毛の色は黒赤。
この狼の姿は普通の犬より胴が少し長く、骨格が立派であった。

3月28日、春日井郡神屋村。
同日 大草村、女が2人死ぬ
3月13日、野口村、男が1人。
同27日、上末村、男2人が死ぬ。
同28日、春日井原新田、女2人が死ぬ。生まれは如意村で奉公人、同所。
同日、稲口新田、男が1人死ぬ。
同日、勝川村の者、同所。
同27日、春日井郡関田村、男女2人、1人はその場で死に、1人はいまだ死んでいない。
同28日、下原村、男女3人。
同日、同所新田。
同28日、多(田)楽村の内、岩野、これは久木村からの奉公人。
同16日、丹羽郡羽黒村、男1人。
同3日。柏森村、下野原新田。
合わせて18ヶ村で狼が人を食う。
男女24人、内16人が死ぬ。
8人が傷を負う。
狼の子3頭を本庄村の百姓の田で捕らえる。