名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

また酔っての醜態

宝永3年3月12日。
昨11日の夜戌(午後7時)、長久寺筋熊井十次郎屋敷向かいの新屋敷の塀際水道で近江守中間1人が切り殺されていた。
同僚4人でかやや(萱屋)町の宿で集まって酒を飲み、大声で騒いだので亭主がなだめて帰る途中で口論となりこの如く。
1人は傷を負ってぼうが(坊ヶ)坂から逃げたようで血が落ちていた。
勝川端で死んでいた。
残る2人は立ち退く。
久四郎の仲間である牧野丹左衛門という浪人が佐治新次郎に預けられる。
丹左衛門実は牧野伊左衛門の同腹の弟で、赤子の時によそへ出され、今兄弟の親しい付き合いはなかった。
母は丹左衛門の家にも出入りしていた。
丹左衛門は芝居などを扱う駿河町熊六兵衛の裏の借家に住んでいた。
昨年までは関四郎右衛門の家来分であった。
この春からは佐治の家来分となっていたのでこの如く。