名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

窃盗事件に絡んでいたか

元禄9年8月20日。
昨日の昼、赤堀七郎左衛門中間が逐電した。
この朝、冨永彦兵衛より使いがやって来て、七郎左衛門兄の赤堀次郎兵衛僕ふたりを縛り、手鎖(手錠)をする。
小頭衆もやって来る。
しばらくすると彦兵家老進藤作太夫がやって来て、手鎖を免じ、放ち置くこととする。
ただし、門外へ出ることは許さなかったと。
巳刻(午前9時)過ぎ、文左衛門は仲間と様子を見に行く。
少し前に、大殿様御小姓小畑政之進が下屋敷で番葛篭(つづら)を失くした。
この詮議は厳しく、七郎左衛門僕が逐電したのはこれを盗んだからか。
次郎兵衛僕も仲間であったのかと。
そのため縛られたと。
しかし仲間ではなかったので許されたと。
夜、深曇。
西風が時に吹く。