2023-01-02 急いで助けましょう 鸚鵡籠中記 元禄9年2月1日。酉半(午後6時)、火事だと騒ぎがある。文左衛門が外に出ると、遠く東の方角に薄く火の光が見えた。蕨(わらび)を焼くのか、それとも遠方で火事なのかはよくわからず。加藤平左のかめという婆は近頃もうろくしていた。この夜、密かに裏へ出て、せせなげ(どぶ)の上に仰向けになって倒れていた。夜明けに見たところ、死んではいなかった。