名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

こういうことはちゃんと指示しないとぐちゃぐちゃになってしまう

元禄8年12月11日。
先ごろから松井市右衛門が承った家中の先祖親類書を集める。
この日、説明の触がある。
先祖書について。
曽祖父より苗字の上に、住所、奉公先、いつの時代に奉公したかを書くように。
祖父・父も同様とする。
この中に名字などが変わった者はその理由を書くように。
例えば母方は母方と、また理由がある場合はその理由を一通り書くように。
養父を継いだ者は実父の名苗字も書くように。
ほかに住む者はどの国のいずれの家中と書くように。
親子・兄弟・孫・祖父母方共に・伯父母方共に・甥従兄弟舅・小舅・婿相婿・伯母婿母方共に姉妹婿姪婿いとこ婿について。
一 子どもは今の歳までも書くように。
ただし御目見の者は御目見と書くように。
そのほかは歳だけを書き、名を書く必要はなし。
よそへ養子に遣わされた者はどこへ遣わされたかを共に書くように。
馬子もこのように書くように。
一 女子は嫁いでいない者については書く必要はなし。
女の親類も同様。
一 養子は勿論のこと、養子の実父の親類縁者も書くように。
養父、実父の肩書は書くように。
一 よそにいる親子兄弟親類はその場所、家中を書くように。
無足(領地がない)の者は名の肩に親の名を書くように。
一 親類の内、身分の低い町人や百姓は名を書く必要はなし。
どこの百姓、どこの町人とだけ書くように。
ただし出家親類の寺持ちは寺号を書くよう、ならびに国も書くように。
親類の内で存命の輩は書くように。
家中の諸士においては先祖書親類書をそれぞれ別紙の用例に従い書き、来春中に拙者方まで差出すように。
先祖書には先祖の軍功をなどは書く必要はなく、御家筋に奉公している者は役柄が知れている分は書き、その他は書く必要はなし。
そう心得るように。
以上。
この書付の内容は同心衆ならびに御支配の内50人格の衆までは書付を送るつもりである。
伏見御屋敷奉行へも仰せの通りに先祖書親類書を集め、書付を差し出す時に一緒に差し出すように。
以上。
両城代。