名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

晴れの舞台での大失態

元禄6年1月11日。
晴天。
文左衛門は御乗始を拝見するため4つ(午前10時)前に出かける。
ようやく未の刻(午後1時)に始まる。
とても退屈であった。
摂津守様(松平義行)御名代伊藤平兵衛が乗った馬が並足の際にしきりに右の口で強く鏡板を噛むので困ってしまい、左の轡を抜いて強く左へ手綱を引くと南の馬場道から畝を超え、北の方へ屏風が倒れるように転んでしまう。
平兵衛はしたたかに投げ出されたが、また起き上がって馬に乗った。
しかし、馬が言うことを聞かなかったので馬を止めた。