2024-01-10 これぞ役人の鑑 鸚鵡籠中記 宝永4年4月11日。この春、国奉行からの用務があった。濃州上古井村へ足軽3人を遣わした。百姓から賄金1分ずつを足軽の袖に入れた。足軽は請け取らずに帰り、国奉行に報告した。奉行から年寄衆に報告し、江戸へと伝わった。百姓を呼びよせ、水責めの拷問があった。足軽には頭から金2分ずつを褒美としてとらせた。近頃、年寄衆から申し渡しがあった。この足軽は奇特である。他で召し抱えるので、足軽の職を解くようにと暇を出させた。近日3人とも江戸へ向かうはずであった。