名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

凄い奥さんだなあ

宝永2年9月10日。
大須の芝居で似せ金遣い3人を目明しが捕らえる。
池鯉鮒(知立)から付けてきていた。
本金27両と偽金60両を持っていた。
その中の1人が首謀者で、初めは名古屋いげたや八左衛門小姓重三郎と称していた。
元服して八左衛門の子と称し、熱田の橋本七左衛門手代となったが淫乱・博奕・盗みで追い出された。
江戸へ行き、偽金遣いの仲間となった。
1人は江戸からやって来た。
貧者1人は紀州の者で駿州あたりから連れてきて、金を与えてだまし、贋金を遣わせた。
同夜、本町三つ蔵筋下る2軒目西側の大久保見町小間物屋曽右衛門の家に盗みが入る。
女房は月影で盗みを見て夫に私語き(ささやき)、すぐに夫婦とも起きて取付(組みつく)。
切られながらも脇差をもぎ取ると、盗みは表の戸を破り逃げ出した。
曽右衛門は棒を持ち出すが、表で転んでしまった。
女房は着ているものをはだけながら半町ばかり追いかけた。
出合え、出合えと言うが誰も出て来ず、盗みは逃げ去ってしまった。
横丁の屋根から入ったと。