名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

すぐに犯人がわかったんだ

元禄12年5月29日。
この夜、岡野五右衛門の44、5ばかりになる若党が高岳院前の小川郷右衛門の構、横町の壁の側で切り殺される。
文左衛門はこれを見に出かける。
右肩1つ、頭2つがいずれも深く切られていた。
昨年までの同僚鑓持、今は大公御書院番佐々木与右衛門の僕が切って逐電したものであった。
傷は小さいものまであわせると11ヶ所あったと。
切られたのは戌刻(午後7時)ぐらいのこと。
小笠原与一兵衛の僕などがこれを聞くと、辻番も郷右衛門も夜には知らなかったと。
辻番は暇を出す。