2023-03-08 急に弱気になった 鸚鵡籠中記 元禄10年10月3日。文左衛門は猶右と漁に出かける。夕暮れに帰る。甚平は人の隙を伺い、巳半刻(午前10時)、手を縛った縄をそろそろと解き、側の長持の間にあった草履を造る小刀を持って咽に突き立てる。この時、六右衛門という老人がいたが、怖くなって知らないふりをする。ようやく人がやって来てこれを止める。傷が喉にかかっていなかったので死ぬことはなかった。