名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

でも食い逃げだよ、餅屋がかわいそう

元禄5年4月19日。
新町餅屋へ駿河町の14、5歳になる男の子がひとりやって来て、1文餅を16個食べたが懐に金はなく、良い考えも浮かばず結局隙を見て逃げ出した。
餅店の夫婦は急いで追いかけて大路で子どもの服を剥ぎ取り、すごい勢いで帰ってきた。
その子は真っ昼間から裸にされ、悲しくて泣き止まず。
町奉行足軽が通りがかり、この様子を見て事情を聞いた。
わずか16銭ばかりのことでこのように恥をかかせるのはあんまりだと奉行の耳に入れた。
このため、明日の20日に餅屋夫婦は牢に入ることに。
程なくして許される。
餅屋の子は大屋に御預けとなる。