2022-09-20 そりゃそうだ 鸚鵡籠中記 元禄4年11月初め。宰相公(綱誠)の御小姓町野兵部は気分が少し悪かったが、御番を御下屋敷で勤めながら兵部は中で薬を煎じていた。御下屋敷に遣わすと若党が煎じたものを天目に移す際に、懐から何かをつまみ入れた。家老1人がこれを見て不審に思い兵部にあれこれと話聞かせ、この若党をおびき寄せて切り殺してしまう。世間では、懐から何か入れるのを見たのは1人だけであり1人だけとは怪しいが、かと言って大勢が見ている前ではどんな馬鹿でも怪しまれるようなことはしないはずだと。