名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

相手にされないからと逆恨み、現代に通じる

元禄5年2月3日。
本町下西側に薬店大坂屋伝兵衛という者が住んでいた。
4,5年前、ここに濃州岩村の小間物売りが遠州新城の女を奉公人として預けていた。しかし、この女の請人は3年前に死んでしまい、その後請人はいなかった。
又、奥州仙台の30になる長左衛門という者も伝兵衛のところに厄介になっていた。
この男は美しい新城の女に恋をして口説くも相手にもされなかった。
この日、この女が裏で大根を切っていたのでこれ幸いと長左衛門は言葉を尽くし口説き始めたが、女は相手もせず荒々しく大根で長左衛門を打ちつけた。
長左衛門は我慢できなくなった上に大いに腹を立て、脇差を抜いて女を切り殺し自害すた。
異説では、書置が同じ内容で3通あったと。
また、長左衛門は剃刀で自殺したと。
女房歳は39歳。