名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

刀は武士の命と言うけれど

元禄9年7月2日。
近頃、本町下紫屋三郎左衛門の戸外に大小刀ならびに鼻紙、草履などが捨ててあった。
朝、これが見つかり、役所に知らせが入ると。
酔っぱらいの仕業か。
話しでは、上の町(上野町?)某の女房は絶世の美人であった。
ある諸士がここへ通いつめていた時、亭主が帰って来たので、刀を置いて逃げ去った。
亭主はこの道具を自分の家に置いておくのは難しいと思い、三郎左衛門のところへ持って行って置いてきたと。
これより前、覚右衛門召仕の男紋平と茶の間(雑用係)の女ギンが密通していることがこの日露見した。
夕方に双方の請人を呼び寄せ、2人に暇を出し、国から追放した。