名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

近所迷惑の酔っぱらい

元禄5年12月7日。
申の上刻(午後3時)、来愚静安のところの門で、水を持ってこい、枕を持ってこいとしきりに大声で叫ぶ声がした。
この時、静安は留守にしており、家には内儀と下女だけであったが、不審に思って出ていくと、袴姿の大小を差した所々泥だらけの若党が腰掛に寝て叫んでいた。
間違いなく酔っぱらいであったので、下女が何とか宥めすかして門から追い出して急いで門を閉めた。
すると若党は門の外に立ち、戸を12、3回ほど叩いて後へとさがり、頭を傾けて何かを考えているそぶりをし、また叩いて下がる。
これを半時(約1時間)ばかり繰り返してどこへ立ち去る。