名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

見世物ってどこかうら悲しい

元禄16年6月21日。
先日、成瀬隼人正が江戸より戻った際、道中で急用があると問屋中に宿継(人や馬の継ぎ替え)を急がせた。
これは召仕2人の仕業と牢に入れる。
近頃、津嶋で山婆の見世物があった。
これは美濃領分萩村というところの比丘尼であった。
顔は尋常でなく、大きさは常人の倍もあり、長さも長く、祭礼の際に床几持ちがつける瓢の面のようであった。
顔の大きさは丸盆ほどあり、40歳あまりで奇妙な姿であった。
抹香などを売って母を養っていた。
見世物にしようと金でこの比丘尼を買い、ここに連れて来ていた。
同じ村の者を仲間にして諸国に遣わし、皆に見せることは恥だと金を出し合って買い戻し、萩に連れ戻した。
水野文四郎が美濃郡奉行の時にこの比丘尼を見たとの話であった。