名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

婿いじめってことか

宝永6年3月8日。
この朝、星野半之右衛門が須貝惣右衛門のところで自殺する。
惣右衛門は舅だったので妻と子ども2人が行っていたが、この2人はいずれも妻の子どもではなく、召仕から生まれた子であった。
この妾と2人は衣服がなくて奉公に出る様子もなく、いつも責められ、惣右衛門の弟は自分たちのために暇を出されたので、日頃惣右衛門とさほど仲もよくなかった。
これらのためこうなると云々。
半之右衛門の弟と2人の子どもは半之右衛門召仕(オトナ)孫右衛門の町屋へ当分行くことになる。

案外気が弱い

宝永6年3月7日。
両小頭から先日の三九郎・ほらを今年から宗門から除くことを新左衛門殿に話が通り、その上七右に先日の書付を遣わし、宗門から除くことが了承されたとの手紙が来る。

戸田五郎兵衛手代の富田庄蔵が自殺する。
上松奉行の手代で大久保見町に住んでいた。
妻が近所(ムカヒ)の桧物屋と関係を持たれ、ひとりで鬱々とし、母に話をしてこの如く。
妻は死ぬ前に舅のところへ遣わしていた。
これを聞いて翌8日桧物屋はたまらなくなり、常題目本立寺の母の墓の前で自害した。2人とも乱心ということにしておく。

死んでやる詐欺だな

宝永6年3月5日。
文左衛門が後苑(裏庭)で山椒を見ると、あんなによく出ていた芽がことごとく干からびて枯れ、色は墨のようになっていた。
どうやら先日の厳しい霜が原因のようだった。
あちこちでこのようであったと云々。
今年、尾張の山椒の実は出来がとても悪く、定光寺などでは例年の10分の1もないと云々。

近頃、小塩与五左衛門のところに佐治茂左衛門がやって来て、金を貸してくれなければここで死ぬとねだって、金1分を受け取って立ち去った。

ここでは文左衛門でなく定左衛門と名乗ってます

宝永6年3月3日。
私の知行所中島郡野崎村無高の百姓三九郎と妹は私の百姓であったので毎年宗門帳にも書き入れて確かめてきたが、この1、2年名古屋に奉公に出て、2人とも野崎村には戻っていないので今年から宗門帳から除いてほしいと野崎村惣庄屋ならびに組頭の者どもが願い出てきたので、今年から宗門帳から除きたいのでこのように申し上げるので許可されるように。
ならびに国奉行へも申し上げ許可されるように。
以上。
宝永6年丑3月 朝日定右衛門。
渡辺源右衛門殿。
磯貝武右衛門殿。

覚。
私の知行所中島郡野崎村の無高百姓三九郎、その妹ほらの2人は私の百姓であったが、近年名古屋へ引っ越して奉公している。
2人とも野崎村には住んでおらず、今後わたしのところでは宗門の確認は行わず、宗門帳から除くのでそのように心得ていただくように。
以上。
宝永6丑3月 朝日定右衛門。
星野七右衛門殿。
富永三右衛門殿。
西尾三郎兵衛殿。
この2通を小頭衆に遣わす。
小頭衆から直ちにこの書付を国奉行に遣わす。

宝永6年3月の天気です

宝永6年3月1日。
快晴。西風が少し吹く。
宝永6年3月2日。
快晴。深夜、少し雨が降る。
宝永6年3月3日。
曇。辰半(午前8時)過ぎから雨が降る。
宝永6年3月4日。
雲が乾(北西)へ流れて行き、巽(南東)の風が吹く。雨は未(午後1時)から止み、申半(午後4時)から晴れる。
宝永6年3月5日。
晴。薄曇。昼前から快晴。
宝永6年3月6日。
未(午後1時)頃、曇る。わずかに雨が降るが止み、夜は晴れる。
宝永6年3月9日。
曇。雲が乾(北西)へ流れて行き、時々わずかに雨が降る。巽(南東)の風が吹き、申(午後3時)前から雨が降る。夜、雨が降り、風がまた吹き、深夜に止む。
宝永6年3月10日。
晴。西風が吹いて寒い。
宝永6年3月11日。
快晴。深夜、時々雨が降る。
宝永6年3月12日。
朝の間、わずかに雨が降る。雲が乾(北西)におもむろに流れて行き、曇る。巳(午前9時)から晴れる。
宝永6年3月13日。
曇。巳(午前9時)前、少し雨が降り、その後晴れて暖かい。
宝永6年3月14日。
曇。雲がおもむろに乾(北西)へ流れて行き、巳(午前9時)から雨が降る。
宝永6年3月15日。
曇。雲がおもむろに乾(北西)へ流れて行き、暖かい。時々、日が差す。夜、蚊が多く現れる。
宝永6年3月16日。
曇。雲がおもむろに乾(北西)へ流れて行き、巳(午前9時)過ぎから流れて行く。申前(午後3時)前から、西からの雨が降り、風が吹く。夕暮れ前に止む。
宝永6年3月17日。
曇。辰半(午前8時)から晴れる。
宝永6年3月18日。
快晴。
宝永6年3月19日。
快晴。
宝永6年3月20日。
天晴れ渡る。
宝永6年3月21日。
快晴。
宝永6年3月25日。
巳(午前9時)過ぎ、急に曇り、雨が時々降る。昼頃、雨が止み、未(午後1時)過ぎ、またしばらく2度ほど雨が降って止む。
宝永6年3月26日。
薄曇。
宝永6年3月27日。
薄曇。巳(午前9時)頃、曇る。雨が少し降って止む。昼から晴れて、時々曇る。
宝永6年3月28日。
薄曇。時々、晴れる。夜、曇る。深夜、雨が少しの間降って止む。
宝永6年3月29日。
曇。1日中西風が激しく吹き、砂を舞い上げ、家を揺らす。空の色は初春のようであった。少し寒い。夕暮れ前、風が静まる。
宝永6年6月30日。
曇。寒い。