名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

殿様が亡くなった

元禄12年6月5日。
公が江戸市谷の屋敷で逝去なさる。
お年48の辰年
この日、熱田の海に空穂船(うつろぶね・伝承で伝わる架空の船)が着く。
近頃、伊勢にあったのが流れ来たと。
窓があり、ビードロが張られていた。
中にはとても美しい宮女がいた。
その側には坊主の首があり、大釘で貫いてある。
干菓子を食料としていた。
書付があり、船が発った日が記してあり、100日後にはどこであろうと取り上げるようにと云々。
この話はよくある話で、まるで見たきたよう話すものである。
また、金20両があったとも。
ともに真実とは思えない。
しかし、他の国でも同じような話はあり、ある人は盗人の悪知恵だと。
または狂言の題材にするためだとも。