名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

物売りがなかなか面白い

文政11年。
19日、礼馬がさまざま出る。
本重町、大網引。
桜の町、うへ木(植木)祭り。
上御園、金ぐら作り物。
八百屋町、加藤内虎狩。
富澤町、十二月。

大坂の発かん湯という砂糖湯売は奇妙ないで立ちである。
朱塗りの箱を担いで5人ほどを連れて歩く。

6月6日、昼頃から大雨となる。
雷が激しく、新橋あたりの町へ雷が落ちて火事となる。
その他大池、巾下あたりへも雷が落ちる。

天王祭に裏町は作り物を出さず。
大須裏門町、飴屋町は東御坊北の広場に熱田祭の大山を作る。
これは懸所地搗の大やぐらを借りて用いる。
また十二月の趣向もある。
橘町裏は植木祭の趣向。
大須裏門町は住吉踊も行う。

本町八丁目西側で新たに牛の舌餅というものを売り出す。
店の風情は風流で瑞出(はで)という暖簾をかける。
また広小路の夜店で団扇を出し、鬮引きで売る店もある。

6月16日、若宮祭は雨天のため17日になる。

住吉町の祭に出す車の浪の下画は張月樵の絵である。

富田町から若宮へ小幟を献上する。

小田井西六軒町の王義の文字書が関羽に変わる。
問屋町の大幕は花色うんげん(繧繝)の縫いで三日月、廿日月、満月にからくりを付ける。

黒田町浄土宗□□(ママ)寺の地から烟(煙)が立ち上る。
数日してもおさまらず、不思議なことである。
御役所へ願い出て境内を掘り、吟味の際中と。
この寺は元は古城跡だと。

珍しい飴売り2、3人が小さな箱を背負い、歌を歌いながら踊って町々を売り歩く。
昔流行ったかうけいし(弘慶子)売のような笠を着る。
長崎廿露飴という。

8月22日夜、稲生村で揚火(花火)が行われる。

9月、長雨が5月のようで米や綿の出来が悪く、凶作の年で米が高値になる。
しかし、尾張はまだましで、三遠州は水難・山津波、西国も同様で長州下関は大津波だと。

知多郡野間大坊で富が始まる。

10月、建中寺に輪蔵(経典を納める棚)が新しく出来上がる。
供養が行われる。

11月22日、中将様斉温公婚礼の式を終える。

町々へ猪の子を引き歩く。
12月頃小僧飴を売り歩く。
紙細工や土人形も作る。

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