名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

しかし細々と指示するなあ

一 町触の写。
この度家中の輩に5ケ年の間格別の倹約を言いつけられたので、町々の者どもももっぱら粗末な服を用い、日ごろから仕事に精を出し、遊芸など嗜むことがないよう倹約に励むよう言いつける。
ついては去る酉年に町中へ別紙の通りの箇条書で伝えたが、その節には特別に言うようなこともあったが、それが何となくいい加減となっているようである。
近頃家中の輩に対して衣服などの制度が出来上がり、供連などを始め特別に簡素にし、給与半減の心得で暮らし向きを変え、厳しく倹約するよう言いつけられたため町々においても売り上げが落ちて困っている者も出てきているので、別紙酉年に伝えた箇条の趣よりもさらに全て簡素にし、贅沢をしないようきつく心得るように。
ついては家中の輩に決められた服装について言いつけられたので、分限を越えた衣服を着用すること、婦人の髪飾りなど目立つことがないように。
背くものがあれば廻り方の役人などが取り調べ、吟味の上で咎を申し付けるのでその意を心得るように。
この別紙。
文政8酉年触書の写。
町々の品行について度々伝えてきた通り、贅沢をしないように。
この度家中を始め全員に倹約を言いつけられた。
したがって町々においても贅沢な生活を改め、質素を第一と心がけ、今後次の通り心得るように。
一 衣服については前々から伝えた通りもっぱら粗末な服を用いるように。
婦人の衣服、髪の飾りなどは特に目立つようなことも見受けられるのはけしからぬことである。
今後は贅沢な生地の衣服は遠慮し、かねて伝えた通り粗末な服を用いるように。
帯についても金襴、天鵞絨その他それに準じるような生地ならびに櫛、簪など金銀はもちろん代琩(タイマイ)鼈甲の類の高価な品は用いず、目立たぬよう暮らすように。
一 家作(家の建築と借家の意味がある)の際、火災への用心ならびに商売が上手くいくのは格別なことであるが、その他贅沢な趣味を持たないように。
もっとも商売が繁盛しても質素を第一とするように。
一 婚礼の際に遣わす道具、衣類などは近頃贅沢な品もあると聞き及んでいるのはいかがであろうか。
今後は特に簡素にし、見た目よりも手軽であることを心得、その他日頃使う道具、品々も先年伝えた通り用が足りればよいと心得、なるべく粗末な品を用い、贅沢のないよう心得るように。
その上、音信贈答であっても手軽にし、用もなく寄り合い、遊行のようなことを行わないように。
一 公儀からも言いつけられ、先年から度々伝えられた通り、無駄に手のかかった高価な菓子などを作らぬように。
煙管やその他嗜好同然の品に金銀を使わないように。
ならびに蒔絵などを立派に作らぬように。
この通りきつく守るように。
もし違反する者があれば吟味の上申し付ける。
別紙で伝えた町々への倹約のことは、それぞれが誠実に守り、贅沢を止め、品行をよくするよう厳しく心がけるように。
所の役人どもはなおさら念入りに心得、触書が読めない者には読み聞かせ、若者へはその町の老人が手本を示し、心得違いのないように。
衣類、調度を始め流行を追い、無益な嗜好に金銀を費やし、遊行に溺れては自然と贅沢となるので、それぞれ家業を大切にして精を出し、品行質素になるよう心得るように。

(2-p140~p141)