名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

やっぱり偽金つくりの罪は重い

文政9年。
文政9丙戌1月1日朝、雪交じりの雨が降る。
昼から晴れる。
2日から晴れる。
8日朝、地震がある。
13日から国府宮で開運守を売り出す。

15日、御的射(おまとい、弓で的を射て無病息災などを願う)が行われるが、1日中雨が降る。
18日、大須の初観音で宝物を売る。
十日恵比寿のよう。

2月2日、雪がかなり積もる。
29日、中野高畑で火事があり、勝川あたりでも火事がある。

世間で疱瘡が流行る。

本国寺の貫主が京から名古屋へ下り、諸末寺で説法を行う。

久屋町一丁目で疱瘡のまじないだと牛の玉(ごおう)を握らせる。

3月2日から15日まで、西水主町長円寺で知多郡大野村光明寺の宝物を弘通(開帳)する。

犬山継鹿尾山で観音を開帳する。

3月1日、火事の噂が多い。
魚ノ棚町東で少し火事がある。
13日、葭町伝馬橋下ルところでも少し火事がある。
23日、七本松で火事がある。
その他あちこちで火事がある。

3月28日から4月2日まで、法花寺町で本国寺の宝物を内拝(内々で拝むこと)する。
少し宝物も出す。

4月8日、東御坊北構の堀へ身投げがある。
17、8の娘だと噂されたが、人の女房だと。

八事山普門堂が再建する。
地築(地固め)は町々から寄進する。

4月17日、祭礼(東照宮祭)が行われる。
夜になると本町通りでは家ごとに提灯を出す。
警固(練り物)の帰りには各町で提灯を灯して賑やかである。
これは初めてのことである。

4月20日、雨が降る。
夕方、初めて雷が鳴る。

5月5日から菖蒲皮町玄乗寺で開帳する。
本尊は厄除日蓮大士で、他にも霊宝をたくさん拝ませる。
同14日まで延長する。
15日、施餓鬼が行われる。

同13日、前津酔雪楼で古筆書画会が行われる。

日照りのため近頃あちこちで雨乞いが行われる。

5月20日、日置は礼馬(馬を奉納すること)10疋ほどを出す。
21日夜、激しい風で雨が降る。

同23日、偽金作りが死刑となる。

同28日、御堂山門二天の像が京都で彫られ、今日到着する。

藤八五文(この頃流行った薬売り)の図。
清正公が伝えたと。

6月の町々での天王祭は一夜限りの予定。
作り物などはなし。

水からくり人形では4人で臼をひかせる玩び(おもちゃ)が現れる。

熱田祭中瀬の車の幕が替わり、猩猩緋で秦先生詩文ならびに車に号を付ける。
尾頭中書の筆による。
その縁の龍の画は月樵による。
全て金糸で縫う。

12日、御堂山門二天の入仏供養が行われる。
千巻陀羅に児音楽が行われる。
同夜、伝馬橋裏で火事がある。
また、水野八郎右衛門へ雷が落ちる。
松河戸村の女が雷に打たれて死ぬと。

6月26日、若宮の大きな松が風もないのに折れてしまう。
ねじ切れたように折れてしまう。
いろいろと奇妙な話がある。

杉の町でよくわからない獣が咬みつくと。

御園町下で鬼子(異形の赤ん坊)が生まれ、その額には2つのこぶがある。
目のようで1つ穴があるが、眼ではなし。
口は耳まで裂けて上下に牙がある。
4本の足には指が3つ、水かきがある。
生れると踊り出し、中々人の手には負えず。
ようやく布団に巻き付け、押さえて石臼を重しとすると石臼をはねのけて落としたのか夕方に死んでしまう。

法華寺町下松徳寺で花角力の興業が行われる。

7月22日、弐朱銀作りがこの日死刑となる。

同月、八百屋町に木曽街道須原宿の十二色漬けの店が出る。

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