文政8年。
米札5匁と3匁を11月15日から17日まで引き替える。
12月、度々雪が降る。
米の値段が高く、知行所の村々ではひけ(上前をはねること)が多い。
屋敷では難渋し、町家は困窮する。
同22日、古渡稲荷が正遷宮が行われ、8月からの造営が終わって今夜仮殿から本社へ移徒する。
東懸所が西へ広がり、北へも広くなる。
(60頁から続く)始めると。
丑年(文政12)になると本調子に三下り(三味線の三の糸を2度下げること)を連弾し、賑やかに騒ぐ。
8月下旬、尾州で稲星が現れる。
去年壬8月から番を付けていた輩は左の通り。
400石 寄合組 平岩鎌之丞、250石 同 津金勘三郎、200石 同 渡辺左織、200石 同 田辺八郎右衛門、150石 御馬廻組 加藤勘平治、200石 同 久々宇又三郎。
右、減知をそれぞれ仰せ出される。
反物尻切(反物泥棒)と。
文政9年。
3月4日から4月8日まで、継鹿尾山日葉連台寺で本尊を開帳する。
3月5日から4月5日まで、三州豊川稲荷妙厳寺で開帳する。
1月21日から2月5日まで、上畠裏真行院で下野国高田山一身田兼帯所天拝一光三尊仏を開帳する。
この時に揚弓、大がかりな見世物が行われる。
賽銭300文と。
2月7日まで延長する。
この時同所慶栄寺でも善光寺分身如来を開帳し、同日まで行われる。
見世物などは詳しく別帳に記す。
この後2月に津島高田山で2日延長して3日の間開帳する。
1月下旬から2月16日まで、栄国寺で善光寺分身如来を開帳する。
3月11日から15日まで出来町大龍寺で五百羅漢の供養が行われる。
15日夜、大施餓鬼が行われる。
1月25日から5月5日まで、知多郡木田村観福寺で十一面観音を開帳する。
3月12日、堀弥九郎三男為三郎が自分の部屋で長者町お富を殺し、自分も自殺する。
お富はバケ庄という異名で、年は38の遊女。
3月12日明け方、魚之棚問屋次郎左衛門裏で火が出る。
蔵ばかり6つが焼失する。
本町へは燃え広がらず。
その火事の最中に近所でも火事がある。
また同夜、八幡町川端の家で火が出て、直ちに鎮火する。
14日も七間町一丁目小坂井新左衛門屋敷で火が出て直ちに鎮火する。
5月5日には熱田、18日には大須で馬の塔が行われ、甚だ質素である。
熱田は本馬がなく、中道町の俄馬、若き者が坊主になって頭を剃って現れる。
これは珍しい。
5月21日夜、激しい風であちこち壊れる。
江川端の家が失われる。
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