文政8年。
同日、袋町医王寺で弘法大師誕生会の供養が行われる。
同28日から南寺町阿弥陀寺で徳住が勧戒を行う。
殊の外大賑わいとなる。
町々でびいどろのかんざしが流行る。
7月初め、武平町の坂の上の米屋の縁の下で何かが唸るからと聞きに行く人が多い。
7月18日、白壁町後藤氏で火事がある。
8月1日、門前町で乳母が子を抱いていると七間町の馬に食いつかれて即死したとのことだが、養生して回復したとか。
馬主は行方をくらましたと。
8月5日、津島で火事と地震がある。
同6日、車道で火事がある。
8日、小牧で火事がある。
同15日、広井八幡祭が21日まで延びる。
右は御延気の際に通りかかって御覧になるため。
同21日、未刻(午後1時)過ぎに小さな地震がある。
当月は度々雨が降る。
同23日、稲生の河原で揚火(花火)が行われる。
筒数は30あまり。
阿弥陀寺の本町通りの借家の普請がこの度終わる。
清安寺に徳本上人の石碑・宝塔建立するため、8月24日に移徒(転居)を行う。
投げ餅が行われる。
この節、辰巳(南東)に珍しい星が現れる。
稲星と。
8月、彼岸から東懸所で七間町聖徳寺が二門(教理)の言解・講釈を行う。
多くの参詣がある。
9月4日、御仕置物(死刑)がある。
これは反物尻切(家尻切だと泥棒なんですよね)で、今まで番を付けられていた。
先月から八事山の前住謙光の比丘が府下へ出かけて説法を行う。
前月は桜の町清水寺で行う。
今月は袋町医王寺で光明真言の講釈が行われる。
9月18日、光蓮寺の鐘の供養が行われる。
同日、清寿院で観音を開帳する。
夜五時(午後8時)までの開門し、参詣する者がはなはだ多い。
観音堂が壊れ、飯綱権現に安置してあったのをこの度移して本尊とし、弘法大師と役の行者を脇の侍のようにする。
弘法も古いもので云われのあるものと。
同20日、桜の町霊岳院先住和尚の追善画会が行われる。
21日には古物会が行われる。
10月、御姫様屋敷の境の南側、元の後藤氏控屋敷は近年津田縫殿頭殿の別荘になっていたが、町家へ譲って中の畠を切り開き、通り抜けの町を作って借家を建てる願いを済ませ、彦坂氏南を江川までの道に突き通し、町が出来上がる。
御姫様屋敷へも道を通すようだったが、何か差しさわりがあるのか通さず。
元来地形が良くなかったので家を北西に建てていたが、東は地形が窪んでいたのをそのままにして家を建てたので水が多く流れ込み、池のようになった。
その後は西北ばかりに家が残る。
隅田町という。
この頃、三州から運ばれたさつまいもを紫(むらさき草)を作った畠で作ったのでかなりがあり、毒に当たって死ぬ者が多いと。
実は菓子屋が言い出したと。
七寺弁天社の作事を行い、再建する。
納屋裏江川端で軍書の夜講が大いに流行る。
11月1日、西懸所書院の玄関の棟上げを行う。
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