享保2年2月25日。
近頃、公が名古屋へ戻られるとの噂がもっぱらある。
その費用などを一度に工面するため手形を売り払わなければならないようで、日々値が下がる。
靭負殿も急に江戸を仰せつけらあれる。
来月5日に名古屋を発つと云々。
今月13日夜、水野弥次大夫は公の御前に出向き、人払いをして用務を聞かれたとのことで国へ戻られることかと云々。
15日には御黒門頭へ御先乗内々の準備は華麗にするように、その他御通番(身の回りの用達する)などを諸役所へも内々に準備するようにと江戸である。
文左衛門も今月28日に上京することが決まっていたがこの日急に中止になる。