名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

正徳5年7月の天気です

正徳5年7月1日。
快晴。未(午後1時)過ぎ、艮(北東)の方に雲が現れ、雷が聞こえる。大粒の雨が降り、激しい風が吹き、雷が地を揺らし、雷鳴が途絶えることはない。地面が掘れて石が現れ、水があふれて波立つ。初めは艮の風が吹き、その後段々と東南の風となる。半時(1時は約2時間)ばかりして静まる。近年にないような雷雨であった。西新町小山宇左衛門の台所に雷が落ちる。少しくすぶると。このため足軽頭などが駆けつける。巾下新道では1人が半死半生となる。六句の米屋喜兵衛は裏口で作業をしていたが、壁の向こう側に落ちて気絶する。息は終に吹き返さず、死んでしまう。この他にも隼人正馬屋のあたり、大曽根屋敷のあたり、長嶋町桜井作之右衛門向かいの紺屋などかれこれ12、3ヶ所に雷が落ちる。雨が止んで2、3刻過ぎても、高岳院の南の横町では水が溢れ、道行く人の水の中を渉る音が風音のように加月院の隠居屋まで聞こえる。大変な水の量であった。文左衛門は申半(午後4時)過ぎに帰る。埋門下では水が股まで達し、坂下あたりでは家々に水が流れ込む。尾頭の芝居見物はかなり濡れてどうしようもなかったと。
正徳5年7月2日。
快晴。巳(午前9時)前から西風が吹く。
正徳5年7月4日。
未(午後1時)過ぎから東北に黒い雲が現れ、雷も時々聞こえる。雷は北から乾(北西)へと向かう様子。そして申(午後3時)頃、黒い雲が空を覆い、雷が鳴り、大雨となる。雷が地を揺らすこと数十回、半時(1時は約2時間)程して、雷は段々南へ向かう。しかし雷鳴は夕暮れまで聞こえる。1日よりも雷は長く鳴り、雨も長く降る。しかし1日より地を揺らす回数は少ない。雨風の勢いも少し弱い。1晩中雨が降り続く。坂下あたりでは水が流れ込み、床・畳まで濡れる。1日より水の量は少ないと。紙屋理兵衛土蔵の2回に雷が落ち、瓦を1間(1間は約1、8メートル)ほど砕くと。
正徳5年7月5日。
雨が降る。巳(午前9時)過ぎから晴れる。未(午後1時)から東、艮(北東)、北へと雲が向かう。時々雷が聞こえる。夜になり大雨となる。その後雨は小降りとなる。1晩中雨は降る。
正徳5年7月6日。
晴。ただし時々雲が現れる。未(午後1時)前、雲が東北から乾(北西)へ向かうようであった。雷が時々聞こえる。野崎村の十右衛門がやって来て言うには、先月22、3日頃から野崎村では雨も降らず、夕立もないと。畠の作物は枯れると。今朝明け方雨が少しばらばらしただけと。
正徳5年7月7日。
明け方、激しい雨がばらばらと降って止む。薄曇、時に晴れる。昼頃から東北から乾(北西)へ雲が向かい、雷が聞こえる。未(午後1時)頃、晴れる。申(午後3時)前、また曇る。雲は辰巳(南東)から艮(北東)へ向かう。雨がしばらく降る。雷が聞こえる。その内の3つは強いもの。駿河町の米屋に雷が落ちると。1日からこの日まで毎日雲が現れて雷が鳴る。名古屋では37ヶ所に落ちると。
正徳5年7月8日。
朝から曇る。辰半(午前8時)過ぎまで時々小雨が降る。時に日が差す。午(午前11時)過ぎから雨が降る。申(午後3時)から雨が止む。
正徳5年7月9日。
曇。雲が乾(北西)へ流れて行く。昼過ぎ、雨が降る。しばらく雨が降って止む。未(午後1時)過ぎから晴れる。
正徳5年7月10日。
朝の間曇る。巳(午前9時)から晴れる。時々雲が現れる。昼から快晴となる。暑い。
正徳5年7月11日。
朝、曇る。辰(午前7時)から晴れる。この日から暑さが厳しくなる。
正徳5年7月12日。
快晴。暑い。夕暮れに艮(北東)・北で雲がそびえ、稲妻が光る。戌(午後7時)頃、どろどろと雷が轟く音が聞こえる。雨もばらばらして止む。雷も鳴らず。
正徳5年7月13日。
暑い。夕暮れ前から東北で雲がそびえ、稲妻が光り、雷が鳴る。
正徳5年7月14日。
暑い。申(午後3時)前から雲が東北へ向かい、艮(北東)の方では稲妻が光り、雷が鳴ること数十度。雷は乾(北西)へ向かい、坤(南西)へ向かい、雨も少し降る。雷が5、6度鳴る。雨が降り始める。雷は次第に静まる。夜雨が降るが、時に小降りになる。深夜に雨が止む。
正徳5年7月15日。
晴。未半(午後2時)、東北・乾(北西)に雲がそびえ、その後雷が時々轟く。乾の雷は西へ向かう。夕暮れ前、艮(北東)ではなお雲で空は暗く、雷が時々聞こえる。
正徳5年7月16日。
快晴。夕暮れから雲が乾(北西)に現れ、雷が聞こえ、稲妻が光る。西・坤(南西)へ向かう様子。その後、艮(北東)では雲が厚く、雷がとても激しい。雷は東へ向かうようで、雷が轟く。それも戌(午後7時)前には聞こえなくなる。
正徳5年7月17日。
快晴。1日から昨晩まで毎日東北で稲妻が光る。今晩から雷の鳴る音は聞こえず。
正徳5年7月19日。
曇。未(午後1時)過ぎ、時々雨が降る。夕暮れに雨が降って止む。深夜から雨が降る。
正徳5年7月20日。
雨が辰半(午前8時)から小降りになって止む。
正徳5年7月21日。
晴れるようで日が差す。辰半(午前8時)過ぎ、急に村雨(急に降って急に止む雨)が一降りして止む。それから曇る。時に雨が小降りとなる。巳半(午前10時)から晴れる。蒸し暑い。未半(午後2時)、艮(北東)に雲が現れ、雷が聞こえる。それから東、南、西へと向かう。雷の音は聞こえないが、雲で空は暗い。ただし名古屋だけは雲が現れない。夜、晴れる。
正徳5年7月22日。
朝、霧が出て快晴。暑い。
正徳5年7月23日。
晴。暑い。
正徳5年7月24日。
蒸し暑い。晴、時々雲が現れる。雲は乾(北西)へ向かう様子。
正徳5年7月25日。
蒸し暑いが、汗をかくと涼しくなる。
正徳5年7月26日。
昨夜の深夜から金風(秋のような風)が吹く。今朝は涼しく、金風が雲を吹き飛ばし、まるで秋のよう。