名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

これぞ機は熟した

正徳3年3月11日。
文左衛門には左の腮(アゴ)下に桃ぐらいの大きさの瘤が20年来あった。
8日に少し押すと面皰(ニキヒ)のなかのようなものが少し出て、翌日からも時々押すと面皰の中のものがたくさん出て気持ちがよかった。
今日などは瘤もはなはだ小さくなっており、中の物は細い穴から押されてうどんのようで、飛び出てほとばしり、舞うように出て来て曲がりくねり、繋がったまま飛び出た。
これは渋の香がしてとても臭かった。
4月の初めころにはすっかり瘤が小さくなり、平らな皮膚となった。
もっとも薬など用いておらず、また痛くも痒くもなかった。
ああやっとこの時がきたと幸せである。
先年、幸介こと村瀬弥次兵衛に見せたときに言ったことが現実になった。