正徳1年10月6日。
文左衛門は酒売場をしつらえ、丹左などと見物する。
辰(午前7時)過ぎ、朝鮮人が通る。
対馬守の家来は大人数で、いずれも槍印・乗懸馬印など皆はくま(ママ)であった。
巳(午前9時)過ぎに終わる。
梅昌院様は高麗屋で、二の丸様は古渡西側清次郎のところで御覧になる。
家老・老中・用人などは橘町東側斧屋や次郎兵衛のところで見物する。
公の考えでこうなった。
星野三四郎・中川勝蔵は荷物を守り、鈴木定左衛門が韓人の先を行き、長井太郎左衛門が後ろを守る。
いずれも拵えた馬の装束などが見事であった。
目付は以前からの願いの通り長柄傘の他に二本道具(二本一対の槍)であった。
鳴海に昼前に到着する。
近頃、南部弥五八弟の御目見義左衛門が女を連れて逐電する。
桑名で自殺し損ね、桑名町奉行から内緒で知らせがあったので弥五八のところへ引き取る。
女を切り殺したとは嘘であった。