名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

何やらさびしい末路

元禄16年2月26日。
昨年、杉村で松屋町古手うり(古物商)茂右衛門が叩き殺されたことで高札が立つ。
鈴木水之介が乞食となり名古屋へやって来る。
坂下万右衛門の所で多葉粉の粉を乞う。
万右衛門は見ることができず、後ろ向きでつかんで渡す。
小間物屋三右衛門の所でも湯を乞う。
これも見ることができず、後ろ向きで渡す。
濃州かうづち(上有知)に妾しげの親がいたので、金のあるうちは水之介はそこにいたが、金を使い果たし追い出しこの如く。
文左衛門は10日ほど後に橦木町や武平町で水之介を見かける。
破れた筵を着て長い髪をし、痩せて骨が目立ち、色はとても黒いが顔立ちは昔の水之介であった。
40日ほどして藤塚町で死んだと。